製品情報
PRODUCT
Hシリーズ冷間鍛造ステアリングジョイント
伝達能力が異なる3タイプの規格製品をラインアップし、
自動車はもちろん産業車両や農業機械・建設機械などに採用されています。
KYOWAは1970年代よりステアリングジョイントの構成部品であるヨークの冷間鍛造製法の研究・開発を重ね、一般には不可能とされる異形冷間鍛造製法を実現しました。
1982年に自動車向けステアリングジョイントとして採用されて以来、今なお更なる高品質化・低コスト化に向けて日々研究・開発を続けています。
また電動パワステ化が進む今、その製法から生まれる高性能・高剛性ステアリングジョイントに世界が注目しています。
世界初の冷間鍛造ステアリングジョイントは、小型・軽量でかつ剛性・靭性に優れており、また、回転方向ガタ・揺動トルクも微小に管理されているので、ステアリング用のみならず、シフトレバー、精度を要する操作部、低速時のドライブやカップリングとしても利用できます。
製品特徴
剛性が高く靱性(しなやかさ)に優れている
コラムアシストタイプの電動パワステ化により入力トルクが増大する今、ステアリングジョイントの構成部品であるヨーク自体の剛性・靭性(しなやかさ)が必要とされています。冷間鍛造ヨークはファイバーフロー(組織の流れ)効果により鉄板プレスヨークと比較し剛性が増し、また熱間鍛造ヨークと比較し靭性(しなやかさ)が優れています。だからKYOWAは冷間鍛造にこだわるのです。
静的ねじり試験
ファイバーフロー
スイング径が小さくコンパクト
剛性が高い冷間鍛造ヨークなので全体的にコンパクトな作りにしています。だから設計時の自由度も高く様々な用途への応用が利きます。
回転方向ガタが少ない
今、ステアリングジョイントは運転時のフィーリング向上のために「回転方向ガタ(隙間)」を限りなく少なくする事を求められています。
その実現の為には、ヨーク成型の冷間鍛造化により素材自体の精度を高める事が不可欠です。
ヒステリシス±1N.m
ヒステリシス±10N.m
揺動トルクが小さく柔らかく動く
「回転方向ガタ(隙間)」を限りなく少なくする事が求められている一方で、それとは相反する「揺動トルク」を小さくする事(柔らかさ)も
求められています。また、ボルト締付時(実車搭載時)も変わらない性能が必要です。「揺動トルク」を微小に管理する為には
ヨーク成型の冷間鍛造化により素材自体の精度を高める事が不可欠です。
揺動トルク
ボルト締付トルクと揺動トルクの変化
耐浸水・耐泥水性抜群
ステアリングジョイントは車両レイアウト上、室外で使用される場合があり、耐泥水性の確保が必要となります。その場合、シール構造のみならず、
ヨーク自体の剛性を高める事こそ、その要求を実現する最大のポイントです。
室内シール
泥水シール
泥水耐久試験
耐久試験
高いコストパフォーマンス
いくら性能が良くても、いつもコストパフォーマンスが求められます。KYOWAは専門メーカーとして、金型の開発から組立まで全て内製しており、
軽自動車向けから高級車向けまでベストの提案でコストを実現しています。
・本社工場
設備開発
金型開発
熱処理
冷間鍛造
設備開発
機械加工
・長浜工場
機械加工
組立
溶接
塗装
評価テスト
出荷
ヨークが規格化され取り、小ロットでも対応可能
KYOWAはウェルドヨーク・ボルトヨークそれぞれ基本となる寸法について数種類の規格を取り揃えており、
お客様のご要望に合わせて小ロットでもご対応可能です。
組立完成品で溶接可能
設計の自由度が高く、作業がシンプルになります。
規格一覧
HJ-RR タイプ | HJ-RB タイプ |
---|---|
ウェルド・ウェルド タイプ | ウェルド・ボルト タイプ |
HJ-BB タイプ | HD-RR タイプ |
ウェルド・ボルト タイプ | ダブル タイプ |
- KYOWAの基本規格を示したものです。
組合せ等については必ずお問合せ下さい。 - ウェルドヨークと相手シャフトとの接合は
溶接又はピン止めにて行います。 - ボルトヨーク用締付ピンチボルトは
強度区分8.8T以上をご使用下さい。 - ピンチボルト締付トルクは28N.m以上を推奨します。
ヨーク基本寸法一覧
・ヨークウェルド標準寸法
HCY1R
HCY2R
HCY4R
・ヨークウェルド標準寸法
HCY1B
HCY2B
HCY3B
HCY4B
HCY5B
HCY6B
HYCCB
性能
項目 | 一般要求値 | 協和実力値 | 自動車メーカー a社規格 |
自動車メーカー b社規格 |
---|---|---|---|---|
折曲げ可能角度 全方向 |
35° | 45° 62° ※広角度仕様 |
45°以上 | 60°以上 |
十字方向 | 90° | 90° | ---- | ---- |
折曲げトルク | 0.02~0.14N.m | 室内仕様 0.02~0.14N.m 室外仕様 0.08~0.20N.m |
02~0.35N.m | 0.2N.m以下 |
回転方向ガタ 測定トルク ±1N.m |
15以下 | 3~7 | 15'以下 | 10以下 |
ニードル軸受 抜けカ |
2000N以上 | 4900~5600N 耐久試験後 |
2500N以上 耐久試験後 |
2000N以上 |
ボルト締付け トルク |
28N.m | 28N.m +20% ※標準仕様 36N.m +20% ※高剛性仕様 |
20~30N.m | 28N.m +20% ※プレス品 36N.m +20% ※鍛造品 |
破断トルク | マニュアル仕様440N.m以上 パワーステ仕様 300N.m以上 |
440~500N.m | 300N.m以上 | 350N.m以上 |
封入グリース | 一般仕様 アルバニアEP2相当 (JIS K 2220 CLASS 1 NO.2) |
|||
オイルシール | 一般仕様 NBR (室内仕様、室外仕様あり) |
動的製品性能
ねじり耐久試験(疲労耐久試験)(正弦波)
正弦波試験機
試験機レイアウト図
波形:正弦波
負荷トルク(N.m) | 取付け角度(°) | 繰り返し速度 | 繰り返し数 | |
---|---|---|---|---|
協和標準試験 | ±34 | 35° | 260c.p.m. | 5×106 |
a社自動車 | ±40 | 25.5° +5.4° |
300c.p.m. | 1×106 |
b社自動車 | ±68 | 37° | 3.6Hz | 12×104 |
c社自動車 | ±35 | 35° | 260c.p.m. | 5×105 |
d社フォークリフト | ±98 | 20° | 10.8Hz | 12×106 後静ねじり 200N.m |
e社フォークリフト | ±58.8 | 5° | 205c.p.m. | 3×105 |
f社農用トラクター | ±98 | 46° | 180c.p.m. | 3×104 |
g社農用トラクター | ±34.3 | 45° | 180c.p.m. | 1×105 |
据え切り耐久試験(矩形波)
矩形波試験機
試験機レイアウト図
波形:矩形波
負荷トルク(N.m) | 取付け角度(°) | 回転角度 | 負荷速度 | 繰り返し数 | |
---|---|---|---|---|---|
協和標準試験 | ±34 | 35° | ±360° | 10c.p.m. | 3×104 |
a社自動車 | ±40 | 25.5° +5.4° |
±375° | 10c.p.m. | 1×106 |
b社自動車 | ±49 | 37° | ±180° | 0.4Hz | 5×104 |
c社自動車 | ±35 | 35° | ±360° | 10c.p.m. | 3×104 |
d社フォークリフト | ±34 | 35° | ±360° | 10c.p.m. | 3×104 |
e社フォークリフト | ±58.8 | 5° | ±180° | 25c.p.m. | 5×105 +190N.mの後静ねじり +5×105 |
f社農用トラクター | ±68.6 | 46° | ±90° | 25c.p.m. | 2×104 |
g社農用トラクター | 協和標準試験適用 |
泥水耐久試験(矩形波)
泥水耐久試験機
試験機レイアウト図
波形:矩形波
- ダスト JIS8種 濃度50g/リットル
- 注水量 1リットル/分
- サイクル 注水→自然乾燥を1万回毎に繰り返す
負荷トルク(N.m) | 取付け角度(°) | 回転角度 | 負荷速度 | 繰り返し数 | |
---|---|---|---|---|---|
協和標準試験 | ±34 | 35° | ±360° | 10c.p.m. | 3×104 |
a社自動車 | ±40 | 25.5° +5.4° |
±375° | 10c.p.m. | 1×106 |
b社自動車 | ±49 | 37° | ±180° | 0.4Hz | 5×104 |
c社自動車 | ±35 | 35° | ±360° | 10c.p.m. | 3×104 |
d社フォークリフト | ±34 | 35° | ±360° | 10c.p.m. | 3×104 |
e社フォークリフト | ±58.8 | 5° | ±180° | 25c.p.m. | 5×105 +190N.mの後静ねじり +5×105 |
f社農用トラクター | ±68.6 | 46° | ±90° | 25c.p.m. | 2×104 |
g社農用トラクター | 協和標準試験適用 |